多言語化現象研究会
10周年記念研究大会

1回 研 究 大 会)

(研究フォーラム「多言語化する日本社会―理想と現実」)

日 時:2009620日(土)9:4518:00
会 場:国立民族学博物館 第3・第5セミナー室
定 員:100
参加無料 

<趣旨>1990年代、外国人ニューカマーの急増が始まって以来、日本における外国人登録者数は現在215万人をこえ、総人口の1.7%をしめるまでになりました。それにともない、いわゆる単一言語主義を国家理念、そして言語政策において理想として掲げてきた日本において、移民言語による活動の顕在化や外国人への多言語支援など、さまざまな多言語化の現象があらわれています。しかし、一方では、旧来の社会制度や人々の意識との矛盾や摩擦もみられます。多言語化現象研究会は1999年、多言語化現象を追うとともに、それがもたらす問題と可能性をさぐることを目的に設立されました。10周年を記念した今回の研究大会では、戦前の領土拡張時代の多言語性を視野にいれ、「多言語化の10年」をあらためてふり返りたいと思います。 

<プログラム>        総合司会:中野克彦(立命館大学)

開会のあいさつ・趣旨説明9:4510:00 庄司博史(多言語化現象研究会代表
1 研究発表10001230 研究発表要旨(pdf)

【第1会場】(3セミナー室) 司会:山下仁(大阪大学大学院言語文化研究科)
許 之威(京都大学大学院人間環境研究科博士課程)「「地域日本語教育」とは何か−新たなパラダイムを目指した批判的考察−」
周 萍(大阪大学大学院文学研究科博士課程)「日本に永住する中国人の日本語学習動機に影響を与える要因の研究−地域の日本語教室をやめた学習者を通して−」
札埜和男京都教育大学附属高等学校「法廷における方言」
柳田亮吾(大阪大学大学院言語文化研究科博士課程)「日本語の多様性とポライトネス−「円滑」なコミュニケーション再考−」
脇坂真彩子大阪大学大学院文学研究科博士課程Tandem Learningという新たな学習機会の提案−概要と事例研究から−」

【第2会場】(第5セミナー室) 司会:オストハイダ・テーヤ(関西学院大学法学部)
重松由美名古屋大学非常勤講師「ブラジル人学校児童生徒による日本語借用」
高藤三千代(立命館大学非常勤講師)「民族国民概念の拘束と日本でスペイン語を()継承することアイデンティティ・境界・想像
金 春男(大阪府立大学客員研究員・京都学園大学非常勤講師)「バイリンガルの認知症高齢者とのより有効なコミュニケーションの可能性バイリンガル話者の特徴(Code-switching)に注目して
宋 実成大阪経済法科大学アジア研究所客員研究員「在日朝鮮人の朝鮮語方言話者について幼少期に渡日した1世と日本で生まれ育った2世の事例
山川和彦麗澤大学)「滞在型観光地における多言語化研究の枠組み」
山川智子東京大学大学院総合文化研究科博士課程「“plurilingualism”概念の日本における受に関する一考察」 
(休憩 12301400

2部 基調講演・パネル討論 14001800講演・発表要旨(pdf)

基調講演 14001440
庄司博史(国立民族学博物館)「多言語化研究の可能性」
パネル討論14451800
「多言語化する日本社会−理想と現実」
今回の研究大会のテーマである「多言語化する日本社会−理想と現実」について、多言語化にかかわるいくつかの視点から、その検証をおこない、今後の可能性や展望について考察します。まずパネリストが、それぞれの立場から報告をおこなった後、パネリスト間、およびフロアーとの間で討議をすすめます。
                             進行:藤井幸之助(神戸女学院大学)
パネリスト
岡崎 眸(お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科)「グローバル化の下で変動する世界において持続可能な生き方を追求する共生日本語教育の役割」
津田幸男(筑波大学大学院人文社会科学研究科)「日本の多言語化における英語支配の影響」
      *都合によりキャンセルとなりました

石原 進(多文化情報誌『イミグランツ』編集長)「なぜ、いま多文化情報なのか」
金 美善(国立民族学博物館外来研究員)「移民女性と言語問題」
安田敏朗(一橋大学大学院言語社会研究科)「「多言語社会」という幻想」

(休憩 162016:35)

閉会18:00
 
 大会当日、会場に多言語化現象関連のチラシ・パンフレット無料配布コーナーを設置します。
 
主 催:多言語化現象研究会 
http://www.r.minpaku.ac.jp/hirshoji/tagengo/ 
共 催:国立民族学博物館 
http://www.minpaku.ac.jp/
協 賛:日本学術振興会科学研究費「多言語社会における移民言語状況と移民言語政策の国際比較」