科学研究補補助金基盤研究A
「民族誌アーカイブズとフィールド調査の接合による植民地初期台湾の先住民族社会の探究」
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研究の目的
日本統治時代初期の学術研究及び官製研究の内容を再検証し、当時の先住民族の生活の実像と調査の文脈を解明することです。鳥居龍蔵の5回の台湾踏査(1896-1911)に関する研究未着手の調査アーカイブズを中心に分析し、日常生活のレベルでの先住民族の具体像、民族間や集団内の社会関係、民族識別の実態を推察するとともに、調査の文脈を現地環境でのフィールド調査で検証します。また、現在の台湾原住民族を含めた歴史の当事者や台湾を含む国内外の研究者との国際共同研究をすすめ、従来の原住民族観との共通点、相違点を明らかにします。そのうえで歴史解釈の共有経験にもとづく植民地の集合的記憶の構築に人類学が貢献し、先住民族を含めた民族集団の多様性を前提とする社会の実現を支える博物館資料活用の学術研究モデルを目指します。