キーワード
コモディティ、商品化、グローバル市場、資源、ネットワーク
目的
近年、グローバル化の進展とともに、国際市場で求められる生態資源や文化資源は大きく変化している。従来から需要のあった資源だけでなく、これまで周縁的または限られた用途で利用されてきた地域資源が新たに高い商品価値を獲得し、国内または国際商品として流通し、消費される事例が各地でみられる。反対に、国際市場の意図とは異なったかたちで地域に需要され、新たな価値を伴って流通することもある。その背景には、世界的な需要の変化に加え、コールドチェーンや輸送インフラの整備、採取・加工技術の導入など、技術的・物質的条件の急速な変化がある。こうした条件の変化は、単に地域をグローバル市場に従属させるのではなく、地域の側から市場構造や流通ネットワークを再編する契機となっている。
本研究は、このような資源の商品化過程に着目し、その社会・経済・文化的変容を、複数地域の比較から明らかにする。対象とするのは、東南アジアの生態資源、南アジアのコンポスト、オセアニアのビニール製品、東アフリカの金細工などである。これらの地域資源は、国内外市場での需要の増加に加え、コールドチェーンの普及による遠隔輸出の拡大、道具や生産技術の導入による新たな生産様式の形成など、外部からの技術的・物質的介入を契機に商品化し、消費されるようになった。
こうした変化は、地域内部で従来おこなわれてきた生産活動や社会関係の再編を促すと同時に、国際的な流通ネットワークや市場構造そのものを変容させるものでもある。本研究では、これらの事例の比較分析を通じて、資源の商品化がもたらす地域とグローバルの双方向的変化の動態を描き出し、モノからみる新しい地域像を提示することを目標とする。
参加メンバー
| 中野真備 | 甲南女子大学・講師 | |
| 門馬一平 | 国立民族学博物館 | 海域アジア・オセアニア研究国立民族学博物館拠点 |
| 伊東さなえ | 大阪大学大学院人間科学研究科・講師 | |
| 松井梓 | 国立民族学博物館 | 環インド洋地域研究国立民族学博物館拠点 |
| 皆木香渚子 | 佐賀大学・助教 |
