活動報告project achievement

大規模災害に関する集合的記憶の物象化・物語化と防災教育活動

2018年(平成30年)度活動報告
  • 林 勲男 2011年2月発生のカンタベリー大地震被災地であるニュージーランドのクライストチャーチ市を訪れ、カンタベリー大学、カンタベリー博物館等にて視察と意見交換を行なった。また、カンタベリー大学法学部での研究会にて、東日本大震災被災地の移行保存をめぐる問題について発表した。
  • 佐藤 翔輔 仙台市における震災メモリアル施設において利用者に対する質問紙調査を行い,利用者評価やその効果を明らかにした。
  • 石原 凌河 2019324日〜29日まで四川大地震の被災地を訪問し、遺構・モニュメントと震災の記憶を伝える展示施設の関係者と研究計画に関する打ち合わせを行い、研究体制を確立した。また、遺構・モニュメントの保存と活用に関する実態把握と資料収集を行った。
  • 定池 祐季 神戸と台湾の被災地交流会にて台湾調査の予備的な知見を得た(20191月)。921地震教育園区、桃米村を訪問し、1999年台湾集集地震からの復興プロセスにおける展示施設の成立過程と防災教育に関する調査を行った(20197月・9月)。
  • ボレー セバスチャン 平成30年度は、2004年大津波のメモリアルについて調査を継続した。サイトに加えられた変更、訪問者の頻度と行動を記録し、災害記念物の利用の進化を理解するために短いインタビューを行った。本研究は、バンダアチェの記念碑サイトの社会生活を明らかにした。
  • 齋藤 千恵 平成31214日から36日インドネシア共和国アチェ州バンダ・アチェ市にて、主に、津波観光の受け入れ側と企画側に、2004年インド洋津波とその被災体験の解釈と表現、防災・減災に結びつく知識や情報、経験談の継承についての聞き取り調査を行った。
  • 松岡 正子 中国四川省阿パ蔵族羌族自治州のチャン族地区で、四川地震後10年を経て益々深刻となった移住と過疎化高齢化、農民戸籍の問題について実地調査を行った。また同テーマに関して、台湾金門島では高齢化にける女性の役割について調査した。


2019年(令和元年)度活動報告
  • 林 勲男  2004年12月発生のスマトラ島沖地震・インド洋大津波の被災地であるバンダアチェ市を訪れ、アチェ津波ミュージアムおよび内部を展示スペースとして利用している発電船の展示と活動について視察し、関係者へのインタビューを実施した。また、シグリ市で開催された災害15周年記念式典に出席した。 2020年1月に神戸市で開催した世界災害語り継ぎフォーラムの実行委員を務め、分科会「災害以降と記憶継承」を本科研の成果の一部として実施した。
  • 佐藤 翔輔 高知県における津波碑に関する調査・分析を行い,メッセージ内容を再分類するとともに,想定浸水エリアとの位置関係や可読性を評価した。
  • 石原 凌河 2019324日〜29日まで四川大地震の被災地を訪問し、被災地で保存されている遺構がどのような文脈で記述されているかを明らかにした。また、国際シンポジウムである世界災害語り継ぎフォーラムで分科会「災害遺構と記憶の継承」を開催し、国内外の災害遺構の保存・活用の実態や遺構を通した語り継ぎの可能性について議論した。
  • 定池 祐季 台湾集集地震と同様に大規模な地滑りが発生した胆振東部地震被災地において、展示施設設立に向けた活動状況と、生活復興期におけるコミュニティの変化と防災教育の状況に関する調査を行った(20203月)。
  • ボレー セバスチャン 平成31年度は、津波資料館、災害遺構(異仏異光)を中心とした記念地、集団埋葬地などの現地観測を行うことを主な活動として継続した。特に、Syiah Kuala大学教員、津波博物館のハフニダル館長、バンダアチェ市文化観光局のイスカンダル館長と、これらのサイトの災害教育活動や今後の展開について調査した。
  • 齋藤 千恵 令和元年度の8月下旬から9月上旬の調査では、アチェ州バンダ・アチェ市における2004年インド洋津波をテーマにしたミュジアム(アチェ津波博物館及び津波教育公園内にある船内博物館)において、ビジターの展示や津波災害の解釈の調査を行った。また、津波により壊滅的な打撃を受けた村における災害についての理解・解釈を、避難活動という側面を含め調査した。