Hirochika NAKAMAKI

主なプロジェクト(完了済)

3 科学研究費補助金による研究(2004年度)

マルチカレンダー文化の研究−日本を中心に

Research on Multi-Cultural Calendars:A Focus on Japan
Making Use of National Museum of Ethnology
A Pesquisa sobre Calendários Multi-Cultural:Um Foco em Japão

研究目的
わが国の公的カレンダーは西暦(グレゴリオ暦)であるが、実際には「旧暦(太陰太陽暦)」も一部に根強くのこっている。また、中国の農暦やイスラームの太陰暦もそれぞれ華人社会やムスリムの間では遵守されているし、それ以外の在日外国人も出身国の暦をとりよせて独自の行事を営んでいる。本研究はわが国で使用される非・西暦あるいは日本以外のカレンダーに注目し、複数のカレンダーに依拠する生活文化−マルチカレンダー文化―がわが国でどのように展開しているかを実証的に解明する。加えて、日本の暦や行事が海外のカレンダーにどのように採用されているかについても調査する。
マルチカレンダー文化は西暦を基調としつつも、行事や行動様式において西暦以外の暦法にもとづく点で、民族や宗教、地域や文明の特質と密接に関連するとともに、趣味や嗜好ともかかわり複雑な様相を呈している。西暦はグローバル化の趨勢のなかでますます世界標準の地位を固めているが、他方ではマルチカレンダー文化に依拠し伝統の維持や民族的・宗教的アイデンディティーの持続がはかられている。わが国においても近年、さまざまな分野で旧暦がみなおされているし、在日・滞日外国人の間では出身地の暦日にもとづく行事や習慣を継続しようとする力学もはたらいている。したがって、マルチカレンダー文化の研究は日本における多文化状況の意味を問うことにつながっていく。

研究組織
【研究代表者】
中牧弘允
【研究分担者】
李 仁子(東北大学・教育学部)、アンジェロ・イシ(武蔵大学・社会学部)、大越公平(関東学院大学・文学部)、坂本 要(東京家政学院筑波女子大学・比較文化学科)、新免光比呂(国立民族学博物館・民族文化研究部)、杉本良男(国立民族学博物館・先端人類科学研究部)、庄司博史(国立民族学博物館・民族社会研究部)、高畑 幸(大阪市立大学・COE研究員)、陳 天璽(国立民族学博物館・先端人類科学研究部)、中西久枝(名古屋大学・国際開発研究科)、渡邊欣雄(東京都立大学・人文学部)

研究会のあゆみ
2004年7月23日(金)14:00-18:00 第3演習室
  研究打ち合わせ:各自5分−10分程度「ねらい」について報告
  民博収蔵庫(カレンダー関連資料)見学
2004年7月24日(土)午前
  飛鳥資料館,高松塚古墳見学
2005年2月3日(木)・4日(金)・5日(土)
[2月3日(木)]
 名田庄村暦会館見学
[2月4日(金)]
 名田庄村暦会館見学
 土御門神道本庁(陰陽道)の星祭り調査
[2月5日(土)]
 研究会(民博にて)