Hirochika NAKAMAKI

 

主なプロジェクト(継続中)

 科学研究費補助金による研究(2009年度〜2011年度)

上海万博の経営人類学的研究

Anthropological Research on Shanghai World Exposition

Pesquisa Antropológica de Administração sobre Exposição Mundial de Shanghai

 

研究目的

 中国2010年上海万国博覧会(以下、上海万博)は2010年の51日から1031日にかけて半年間開催される世界最大級の博覧会である。上海万博には220以上の国・国際機関の出展が契約調印され(200810月末現在)、7000万人の見学者を想定している。「より良い都市、より良い生活(Better City, Better Life)」をテーマに掲げ、副テーマとして「都市多元文化の融合」がうたわれている。

 「上海万博の経営人類学的研究」は上海万博を都市文化、都市生活の未来像を展示し体験する博覧会ととらえ、都市の経済、科学技術、コミュニティーをめぐる多元的文化の理想像を経営人類学的手法によって検証しようとするものである。

上海万博の展示館のなかでも本研究がもっとも重視するのは日本、中国、韓国の東アジア3国である。グローバル化が加速するなかで、東アジアが近未来の都市文化、都市生活の改善・革新に何が貢献できるとかんがえられているか、とくに企業に焦点をあわせて展示やイベントを分析することが課題である。他方、欧米、ならびにBRICsからそれぞれフランス、アメリカ、ブラジルをえらび、同様の方法で接近を試みる。東アジア3カ国と比較するためにも、この作業は重要である。

 つぎに、「より良い都市、より良い生活」というテーマは都市の住民をたばねる組織としてのNPO/NGOの存在を暗黙の前提としている。「上海社会科学報」には、愛知万博から上海万博へというテーマで記事が書かれているが、そこでは万博のテーマが「各国の威信の発揚」から「企業のプレゼンテーション」さらに最近では市民参加(NPO/NGO)などを含めて3つのエンジンからなると指摘されている。近年の万博におけるNPO/NGOの参加形態をふまえ、上海万博におけるNPO/NGOの活動を都市文化、都市生活の主要なアクターとしての観点から分析する。

 また、上海万博では障害者館が建設される。会場もすべてバリアフリーとするという努力目標も掲げられ、愛知万博にひきつづきこの理念が継承される。博覧会場におけるバリアフリーにとどまらず、都市生活におけるバリアフリーのテーマは近未来の都市経営、博物館経営にとっても重要な課題である。

 

研究組織

【研究代表者】
中牧弘允(国立民族学博物館・民族文化研究部)

【研究分担者】

広瀬浩二郎(国立民族学博物館民族文化研究部)、陳 天璽(国立民族学博物館・先端人類科学研究部)

【連携研究者】

日置弘一郎(京都大学経済学部教授、日本企業)廣山謙介(甲南大学経営学部教授、日本企業、澤野雅彦(北海学園大学大学院経営学研究科教授、日本企業)、三井泉(日本大学経済学部教授、日本企業)、竹内恵行(大阪大学経済学部准教授、日本企業)、澤木聖子(滋賀大学経済学部、日本企業)、出口竜也(和歌山大学観光学部教授、日本企業)、周佐喜和(横浜国立大学大学院環境情報研究院教授、日本企業)、大石徹(芦屋大学臨床教育学部准教授、大阪市)、晨晃(神田外語大学異文化コミュニケーション研究所准教授、中国国家館・地区館)、王英燕(広島市立大学国際学部講師、中国国家館・地区館)、秦兆雄(神戸市外国語大学教授、香港・マカオ地区の企業)、゙斗燮(横浜国立大学経営学部教授、韓国企業)、岩井洋(帝塚山大学経済学部教授、韓国館)、市川文彦(関西学院大学経済学部准教授、万博本部・フランス館)、住原則也(天理大学国際文化学部教授、アメリカ館)、出口正之(国立民族学博物館教授、NPO/NGO)、李妍焱(駒澤大学文学部准教授、NPONGO

 

【研究協力者】

砂川和範(中央大学商学部准教授、日本企業)

【海外共同研究者】

張継焦(中国社会科学院民族学人類学研究所副教授、企業参加)曹建南(上海師範大学副教授、現地情報)

 

 

 

研究会・現地調査のあゆみ

 

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