驚異と怪異

驚異と怪異――想像界の比較研究

「驚異」marvelous や「怪異」uncannyは、現代における自然界には存在しえない現象を描いた幻想文学、いわゆるファンタジーの部類に入るとみなされる。近代的な理性の発展とともに、科学的に証明のできない「超常現象」や「未確認生物」はオカルトの範疇に閉じ込められてきた。しかし近世以前、ヨーロッパや中東においては、犬頭人、一角獣といった不可思議ではあるがこの世のどこかに実際に存在するかもしれない「驚異」は、空想として否定されるべきではない自然誌の知識の一部として語られた。また、東アジアにおいては、実際に体験された奇怪な現象や異様な物体を説明しようとする心の動きが、「怪異」を生み出した。 本研究会では「驚異」と「怪異」をキーワードに、異境・異界をめぐる人間の心理と想像力の働き、言説と視覚表象物の関係、心象地理の変遷などを比較検討する。


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