驚異と怪異

おすすめ書籍


狙われた身体

狙われた身体-病いと妖怪とジェンダー

安井眞奈美 (平凡社 2022)

日本の妖怪や怪異現象を、病気や身体攻撃などの形で私たちを襲う「敵」として読み解く、民俗学・ジェンダー研究による画期的身体論。

図説 日本妖怪史

図説 日本妖怪史(ふくろうの本/日本の文化)

香川雅信 (河出書房新社 2022)

妖怪にも歴史がある! 古代から、中世、江戸、現代まで、それぞれの時代の資料を丹念に見ていくことによって、妖怪たちがたどってきた歴史を再構成する、画期的なビジュアル版日本妖怪史。

禍いの大衆文化―天災・疫病・怪異

禍(わざわ)いの大衆文化――天災・疫病・怪異

小松和彦 編 (KADOKAWA 2021)

《執筆者》小松和彦、香川雅信、高橋 敏、福原敏男、高岡弘幸、齊藤 純、横山泰子、香西豊子、川村清志、伊藤慎吾

人々が描き、 願ったこととは。託されたイメージと誕生に迫る。
古代から現代に至るまで、大衆もまた作者だった。地震、火事、疫病など様々な集団的経験を経て、恐怖や悲しみを乗り越えるために、人々が創り出したものは何だったのか。
災厄と救いの想像力をヒントに、民衆の心性に迫る。『日本大衆文化史』に続く、大衆文化研究プロジェクトの第2弾!

へんなものみっけ! 第6集

へんなものみっけ! 第6集

早良 朋(小学館 2021)
洞窟壁画から先史時代の芸術と人びとの信仰を探る「骨折り儲けのくたびれ損!?」(前後編)を収録。

寄贈(きぞう)や鑑定(かんてい)、展示だけじゃない!? 博物館のウラ側を知りたいなら、フクロウならぬコノハズクのいる <かなでの森 博物館>へようこそ!
知られざる博物館の裏側、そして100年後に届く仕事とは…? 博物館のウラ側で働く研究者とその周辺の個性一杯の人々を描く大人気ミュージアム・コメディー!

へんなものみっけ! 第5集

へんなものみっけ! 第5集

早良 朋(小学館 2020)
作者の早良さんによる特別展「驚異と怪異――想像界の生きものたち」の取材内容をもとにした「ミイラに魅入られて」(前後編)を収録。

寄贈(きぞう)や鑑定(かんてい)、展示だけじゃない!? 博物館のウラ側を知りたいなら、フクロウならぬコノハズクのいる <かなでの森 博物館>へようこそ!
知られざる博物館の裏側、そして100年後に届く仕事とは…? 博物館のウラ側で働く研究者とその周辺の個性一杯の人々を描く大人気ミュージアム・コメディー!

この世のキワ―〈自然〉の内と外 (アジア遊学 239)

この世のキワ―〈自然〉の内と外 (アジア遊学 239)

山中 由里子・山田 仁史 編著 (勉誠出版 2019)
国立民族学博物館 特別展「驚異と怪異――想像界の生きものたち」公式副読本

《執筆者》秋道智彌・佐々木聡・木場貴俊・大沼由布・野家啓一・榎村寛之・松田隆美・金沢百枝・香川雅信・小林一枝・菅瀬晶子・安井眞奈美・松浦史子・黒川正剛・林則仁・小宮正安・井上真史・稲賀繁美・佐々木聡・大道晴香・松田陽・角南聡一郎・宮下遼・寺田鮎美

「驚異」と「怪異」に共通する「異」なるものへの視線は、自己と他者、自己と宇宙の境界認識によって形作られるものであり、自然の中での人間の立ち位置を映し出す鏡でもある。
その「驚異」と「怪異」の表象を、ユーラシア大陸の東西の伝承・史料・民族資料・美術品に探り、「自然」と「超自然」の境界領域、「この世」と「あの世」の心理的・物理的距離感、境界に立ち現れる身体・音・モノなどについて、総勢26名の豪華執筆者が学際的に考察する。

驚異と怪異――想像界の生きものたち

驚異と怪異――想像界の生きものたち

国立民族学博物館 編 (河出書房新社 2019)

《執筆者》山中由里子・榎村寛之・小山修三・秋道智彌・戸田美佳子・和田正平・横山廣子・信田敏宏・卯田宗平・福岡正太・松浦史子・久留島元・小林一枝・アンソニー・シェルトン・香川雅信・化野 燐・池上俊一・三尾 稔・佐々木聡・𠮷田憲司・鈴木 紀・山田仁史・伊藤敦規・中牧弘允・池谷和信・齋藤玲子・古川不可知・立川武蔵・村上大輔・小松和彦

古今東西、この世のキワにいるかもしれない不思議な生きものを一挙集成。国立民族学博物館特別展「驚異と怪異――想像界の生きものたち」公式図録。
「鬼、人形、怪鳥……幻の生き物、奇想を競いあうように次々と」宮田珠己(朝日新聞 2021年6月5日掲載)
「コロナブルーを乗り越える本」宮田珠己(集英社インターナショナル 2020年4月14日掲載)

〈驚異〉の文化史―中東とヨーロッパを中心に―

〈驚異〉の文化史―中東とヨーロッパを中心に―

山中 由里子 編 (名古屋大学出版会 2015)

《執筆者》池上俊一・二宮文子・亀谷学・守川知子・大沼由布・黒川正剛・辻明日香・林則仁・小林一枝・松田隆美・金沢百枝・杉田英明・家島彦一・鈴木英明・見市雅俊・武田雅哉・小宮正安・小倉智史・宮下遼・菅瀬晶子

アレクサンドロスも遭遇したという怪物から、謎の古代遺跡や女だけの島まで、たえず人々の心を魅了してきた 〈驚異〉。旅行記や博物誌が語り、絵画や装飾品に表れるその姿は、人間の飽くなき好奇心について何を教えてくれるのか。〈驚異〉 の 「黄金時代」 であった中世以来の精神史を細やかかつ大胆に描き出す。
「2015年回顧総特集」(週間読書人 3120号 2015年12月18日掲載)
書評委員が薦める「2015年の3点」(朝日新聞 2015年12月27日掲載)

怪異をつくる ─日本近世怪異文化史

怪異をつくる─日本近世怪異文化史

木場 貴俊 著 (文学通信 2020)

怪異はつくられた!? 「つくる」をキーワードに、江戸時代を生きた人びとと怪異のかかわりを歴史学から解き明かす書。 人がいなければ、怪異は怪異にはならない。では誰が何を「あやしい」と認定して怪異になったのか。つまり、怪異はどうつくられてきたのか。そこにある様々なありさまを、当時の「知」の体系に照らし描ききる。章立ては、近世の怪異をつくった第一人者、林羅山からはじまり、政治、本草学、語彙、民衆の怪異認識、化物絵、ウブメ、河童、大坂、古賀侗庵の全10章プラス補論3章。 全方向から怪異のあり方を突き詰める、これからの怪異学入門が遂に誕生。怪異ファン必携。

ヨーロッパ中世の想像界

ヨーロッパ中世の想像界

池上 俊一 著 (名古屋大学出版会 2020)

西洋中世の人々が生きた豊穣なる世界 ——。動植物や人間から、四大や宇宙、天使や魔女、仲間と他者、さらには楽園と煉獄まで、文学・図像・伝説・夢を彩る広大な想像界を縦横無尽に論じ、その全体構造を解明する。心性史・社会史を刷新する「イマジネールの歴史学」の集大成。

自然を前にした人間の哲学 ─古代から近代にかけての12の問いかけ

自然を前にした人間の哲学 ─古代から近代にかけての12の問いかけ

神崎 忠昭 ・野元 晋 編 (慶応義塾大学出版会 2020)

私たち人間は「自然」を前にしたとき、どのような思想的営為を展開してきたのか。 古代から近代にいたるまで、その意義を検討する。 ギリシャ・ローマとイスラーム世界を中心に、文明の根幹にある自然観の多様な現れ方を再検討する、慶應義塾大学言語文化研究所、最新の研究成果。

怪異学の地平

怪異学の地平

東アジア恠異学会 編 (臨川書店 2018)

~怪異学研究の最先端~ 怪異をめぐる言葉、怪異とよばれる事象、怪異をもたらすもの―それらは何であるのか、怪異学研究の最先端を明らかにする。 東アジア恠異学会の二〇一五年度からの三年間の研究の蓄積をまとめたもの。 この間のテーマは、「〈他〉の認識と怪異学」。 人々が何を「他」と認識してきたのかを考える。 本書は、怪異学の初発からの問題意識である「怪異」という語に関する「1〈怪異〉をめぐる言葉の定着」、〈他〉の認識に係る「2〈異〉〈他〉の広がりと認識」「3〈神仏〉と〈化物〉の間」の三つで構成し、十四編の論考を収録した。いずれの論考も怪異学のこれまでの研究の蓄積をふまえ、新たな可能性を模索する内容となっている。

魔女・怪物・天変地異 ─近代的精神はどこから生まれたか

魔女・怪物・天変地異 ─近代的精神はどこから生まれたか

黒川 正剛 著 (筑摩書房 2018)

ヨーロッパ中世末期、怪異現象が爆発的に増殖したのはなぜか。一方で魔女狩り、他方で驚異の部屋が作られる中、近代的思考はいかに誕生したかを探る。図版多数。

An Introduction to Yōkai Culture

An Introduction to Yōkai Culture : Monsters, Ghosts, and Outsiders in Japanese History

Komatsu Kazuhiko Translated by Hiroko Yoda and Matt Alt 
(Japan Publishing Industry Foundation for Culture 2017)

Since ancient times, the Japanese have lived with superstitions of strange presences and phenomena known as "yōkai," creating a culture by turns infused with unease, fear, and divinity. Tsukimono spirit possessions. Fearsome kappa, oni, and tengu. Yamauba crones. Ghostly yūrei. Otherworldy ijin...Where did they come from? Why do they remain so popular? Written by Japan's premier scholar of yōkai and strange tales, this book is both an introduction to the rich imagination and spirituality of Japan's yōkai culture and a history of the authors and writings that have shaped yōkai studies as a field.

復元 白沢図 ─古代中国の妖怪と辟邪文化

復元 白沢図 ─古代中国の妖怪と辟邪文化

佐々木 聡 著 (筑摩書房 2017)

中国の伝説上の帝王・黄帝は、神獣・白沢の言葉を記録して、あらゆる鬼神を撃退する知識が書かれた書物『白沢図』を編んだと伝えられる。この書物は、禍を避け福を招く辟邪(へきじゃ)呪術を伝承する書として珍重されたが、今から約一千年前の北宋時代に散佚したと考えられる。本書では、この幻の奇書を最新の研究成果をもとに復元し、平易な訳文と解説を付した。現代の妖怪文化の源流の一つである辟邪文化の原像がここによみがえる。

イブン・バットゥータと境域への旅

イブン・バットゥータと境域への旅――『大旅行記』 をめぐる新研究

家島 彦一 著 (名古屋大学出版会 2017)

中国、インド、北方ユーラシア、アフリカなど、イスラーム世界の海・陸の 「境域」 情報を伝える 『大旅行記』 は、まさに記録史料の宝庫と呼ぶにふさわしい。なぜ巡礼を超えて未知なる驚異の領域へと踏み込んでいったのか。その足跡と写本を追って世界を旅し、完訳を成し遂げた碩学による新たな到達点。
原典 ルネサンス自然学 【上巻】

原典 ルネサンス自然学 【上巻】

池上 俊一 監修 (名古屋大学出版会 2017)

《訳者》柴田和宏 石原あえか 桑木野幸司 池上俊一 月澤美代子 田中祐理子 澤井 直 黒川正剛 伊藤博明 村瀬天出夫 村松真理子

万物をめぐる知の総体を集成。――身体から宇宙まで、料理から農事まで、魔術から機械まで、実験から教育まで、驚異から地理まで、計算から原子まで……、本邦初訳テキストと貴重図版により 「科学的人文主義」 の精華をつたえる待望のアンソロジー上巻。―― 開かれるミクロコスモス。
原典 ルネサンス自然学 【下巻】

原典 ルネサンス自然学 【下巻】

池上 俊一 監修 (名古屋大学出版会 2017)

《訳者》坂口勝彦 加藤守通 小林繁子 根占献一 田中佳佑 高橋憲一 田中一郎 中澤 聡 白幡俊輔 池上英洋 大橋喜之 吉本秀之

異質な時空の交差する全2巻。――身体から宇宙まで、料理から農事まで、魔術から機械まで、実験から教育まで、驚異から地理まで、計算から原子まで……、本邦初訳テキストと貴重図版により 「科学的人文主義」 の精華をつたえる待望のアンソロジー下巻。―― 変貌するマクロコスモス。
煉獄と地獄

煉獄と地獄――ヨーロッパ中世文学と一般信徒の死生観

松田 隆美 著 (ぷねうま舎 2017)

書下し・死を生きるヨーロッパ中世。煉獄とは何だったのか――
煉獄と地獄の図絵、99点収録。聖職者・知識階級ではなく、中世ヨーロッパの一般大衆は死と死後の世界をどのようにイメージしていたのだろうか。
13~16世紀、黒死病(ペスト)の惨劇をくぐった中世は、死後世界をめぐってさまざまな表象と物語を生み、やがては煉獄の誕生をみる。往生術、死後世界探訪譚、死の舞踏という死の文学のモチーフにおいて煉獄が果たした役割とは何だったのか。
説教、教化文学、壁画、ステンドグラス、時?書、装飾写本などを図像とともに広く渉猟し、人々の心性に浸透してその死生観の根となった要素を掘り起こす。
妖怪学の基礎知識

妖怪学の基礎知識

小松 和彦 編著 (株式会社KADOKAWA 2011)

いまも都市伝説などで再生されつづける「妖怪」とは何か? 説話やお伽草子に描かれる妖怪や怪異、噂話のなかの妖怪、妖怪画の歴史、妖怪の博物誌など、最新の研究成果を盛り込み日本の妖怪文化に迫る。
怪異学入門

怪異学入門

東アジア恠異学会 編 (岩田書院 2012)

《執筆者など》京極夏彦・大江篤・榎村寛之・化野燐・久禮旦雄・久留島元・高谷知佳・木場貴俊・佐々木聡・西山克・島田尚幸・鬼頭尚義・佐野誠子・南郷晃子・笹方政紀・熊澤美弓

東アジア恠異学会創立10周年を記念し、『怪異学の技法』『亀卜』『怪異学の可能性』に続き、これまでの研究成果を「入門書」として刊行。 第1章では、王権と怪異、怪異の流出、知識人の系譜、を柱に、怪異学の視点を語る。 第2章では、不思議なコトやモノを分析する方法を具体的に提示した論考5編を収録。 第3章では、学会創設者へのインタビューを通じて、新しい学問が誕生する軌跡を辿る。

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