科学研究費補助金 基盤研究(B) 2019-2021年度 JP19H01400
文化遺産の
「社会的ふるまい」
に関する応用人類学的研究
:東部アフリカを事例に

2023年度=全体の成果
本研究では、①個々の社会文化的コンテクストをふまえた文化遺産の参与観察と民族誌的記述、②社会文化的コンテクストが異なる複数の文化遺産の比較分析、③複数の社会文化的コンテクスト相互のあいだで意図的に情報を流通させる「野外実験」という3つのアプローチを提案していた。①と②については、批判的遺産学会(Association of Critical Heritage Studies)の2020年大会(ロンドン、ただし感染症流行のためオンライン参加)において「アフリカの遺産におけるローカルな価値」という分科会を、スイスの研究者2名およびウガンダの研究者1名とともに企画・実施した。詳細については、すでに出版したHeritage Practice in Africa (National Museum of Ethnology, 2022) および編集中のRevisiting Nara: Authentic Change in Intangible Cultural Heritage で詳しく論じた。
2022年度
- 研究期間は2022年度に終了したが、感染症流行のため特別に年度をまたいで繰り越された経費を用いて、研究会を継続
- 2022年4月9日と2023年3月27日に研究会開催
- タンザニア調査(タンザニア国立博物館と連携)
- 民族誌映画「スルンベ」を日本文化人類学会研究大会(6月5日)、クラトヴォ国際民族学映画祭(マケドニア、10月9日)で上映
- ブガンダ王国関係者を招聘し、国立民族学博物館所蔵資料の熟覧調査
- 日本在住のアフリカ出身者(ADJ)の実態調査と、博物館資料を用いた彼らのストーリーテリング支援を開始
2020-2021年度
- 感染症が流行して現地調査をおこなえなかったため、各メンバーがオンラインで現地と連絡をとって調査準備を進めた
- 2020年7月8日と8月18日に研究会開催
- 2020年8月26日に批判的遺産学会において分科会開催(プログラム9-10ページに時間割、293-299ページに要旨、成果は刊行済み)
- 2021年2月13日から3月13日まで、国立民族学博物館が5回にわたって主催した連続ウェブ研究会「文化遺産実践における身体とモノ――集合的健忘に抗するための文化伝達」に協力
- 2021年3月22日に研究会開催
- インタビューの文字起こしと記録映像の編集に経費や時間をふり向け
- 民族誌映画「スルンベ――マダガスカル南西部の憑依儀礼」を東京ドキュメンタリー映画祭に出品、2021年12月16日に東京で、2022年3月10日に大阪で上映
2019年度
- ケニア調査(ケニア国立博物館群と連携)
- タンザニア調査、ウガンダ調査、コモロ調査
- 南アフリカ調査(ケープタウン大学と連携)
- 2019年5月26日と2020年3月20日に研究会開催