科学研究費補助金 基盤研究(B) 2019-2021年度 JP19H01400

文化遺産の
「社会的ふるまい」
に関する応用人類学的研究
:東部アフリカを事例に

文化遺産の「社会的ふるまい」に関する応用人類学的研究


東部アフリカに位置する4ヶ国において、広義における文化遺産を比較分析し、その効用やそれをめぐる葛藤などを明らかにしたうえで、閉鎖的な地域主義(ナショナリズム)でなく開かれたコミュニティを築くための方途を確定する。方法としては、各国の文化遺産の性格を民族誌的に記述し、人びとが互いの文化遺産をとおして連帯感を涵養するための条件を明らかにする。たんに事象を観察するだけでなく、異なる国(地域)の文化遺産の映像や情報を意図的に呈示して反応をひき出すという「野外実験」もおこなう。本研究は、文化遺産が人間関係をとり結んだり、逆に分断したりして社会的にふるまうことに注意をうながすものである。