プロジェクト概要
本研究の目的は、55年以上続く日本のアンデス文明研究の成果を踏襲しながらも、権力という分析視点と分野横断的な手法を考古学調査(南米ペルー共和国北部)に導入し、文明初期における複合社会の成立過程(ミクロ・レベル)を追究するばかりでなく、アンデス文明史の再構築というマクロ・レベルの課題に取り組むことにある。インカ帝国をさかのぼること数千年におよぶアンデス文明のなかでも、祭祀建造物が登場した形成期(前3000年~紀元前後)社会のデータを、社会的記憶の形成と統御という斬新な切り口で分析し、新たな権力論、文明論の構築を図る。
