プロジェクト概要
本研究では、南米の太平洋岸に成立したアンデス文明を対象に、60年以上続く日本のアンデス文明研究の成果を踏襲しながらも、権力と社会的記憶という分析視点と分野横断的な手法を南米ペルー共和国における考古学調査に導入することで、古代文化の交代期における権力の生成を追究し、アンデス文明史の再構築に取り組む。インカ帝国をさかのぼること数千年におよぶアンデス文明研究では、従来、文化の交代期、滅亡に関わる議論が少なく、本研究では、過去の社会に対する歴史や記憶の統御という斬新な切り口を導入することで、新たな文化変遷の様相を捉え、アンデス文明論の再構築を図る。