主なプロジェクト（完了済）

研究目的

会社文化の共同研究ではこれまでサラリーマン、企業博物館、会社儀礼、会社文化のグローバル化を主題としてとりあげてきた。本研究は、そうした成果を継承しながら、現代の会社文化と宗教文化の比較研究に取り組む。現代を特徴づけるグローバル化は会社や教団のような組織では特に顕著である。両者は管理という側面で共通するが、日本の場合には、ともに共同体的性格を持つことから共通する構造が指摘できる。また、ともにグローバル化の波にさらされ、その構造の変容が必要となっている点も共通する。本研究ではテーマをグローバル現象との関連に焦点を絞り、方法論としては経営＝システム運営の文化的研究をめざす経営人類学的視点の発展をはかる。とりわけ創業者（教祖）、企業倫理（宗教倫理、霊性）、市場開拓（布教）、会社宗教、宗教経営をめぐる比較研究が課題となる。

研究組織

【代表者】中牧 弘允

【館　員】
大森 康宏、近藤 雅樹、田村 克己、陳 天璽、出口 正之、野村 雅一、平井 京之介、廣瀬 浩二郎、山本 匡

【班　員】
安達 義弘、市川 文彦、岩井 洋、岩田 龍子、宇野 斉、奥野 明子、奥野 卓司、織田 竜也、樫尾 直樹、神崎 宣武、近藤 みどり、澤木 聖子、澤野 雅彦、塩路 有子、杉谷 眞佐子、砂川 和範、住原 則也、高尾 義明、�ﾞ 斗変、出口 竜也、晨 晃、日置 弘一郎（客員）、廣山 謙介、前川 啓治、松永 ルエラ、三井 泉、村山 元理、森 雄繁、山田 慎也、米山 俊直

次回研究会の予告

研究会のあゆみ

2003年５月24日（土）13：30〜（第６セミナー室）
中牧弘允「研究方針について」

2003年７月28日（月）13：30〜（第６セミナー室）
村山元理「スピリチュアリティーを取り込むアメリカの企業 ─ 企業文化の創造」
金子毅「企業守護神の誕生 ─ 八幡製鉄所における「安全」理念の実践との関わりから」

2003年11月８日（土）・９日（日）　（第６セミナー室）
全体テーマ：「“商”の人類学的考察―ビジネスの現代的意味を考える」
［１１月８日（土）］
澤野雅彦　問題提起及び「商学の復権：商品の文化的側面に注目して」
三井泉　「商人（AKINDO）：『意味変換と創造』の媒介者」
織田竜也「商品世界とフェティシズム」
［１１月９日（日）］
加藤和暢　「『生産の地理学』から『生産−消費の地理学』へ」
出口竜也　「総合商社(SOGO SHOSHA)機能の文明論的意味」
波積真理・日置弘一郎　「流通と商品化」
廣山謙介　「商学としての金融論」

2003年12月20日（土）13：30−18：30（第６セミナー室）
鷲見　淳（労働政策研究・研修機構）「職場における文化の概念の位相」
ルエラ・マツナガ（オックスフォード・ブルックス大学）“The Branding of Space”
住原則也（天理大学国際文化学部）「原子力発電所ヴィジターセンターの日英比較」

2004年３月６日（土）13:30〜（第３セミナー室）
陳天璽「華人のビジネスネットワークと宗教」
島本みどり「醤油のグローバル化　−キッコーマンを中心に−」

2004年5月21日（金）13:30〜18:00（第６セミナー室）
広瀬浩二郎「『柔道』型布教と『合気道』型布教−アメリカにおける天理教の異文化伝道−」
山田慎也「儀礼の創出と人材育成−グローバル社会における葬儀社の経営戦略−」
2004年5月22日（土）11:00〜17:00（第６セミナー室）
沈　奇志「マレーシアの事例に見る環境圧力と企業経営行動−宗教の役割も含めて−」
市野沢潤平「人類学と経営学の接点を探る：小規模個人事業主を例とした経営人類学的理解の試み」
奥野卓司「ＧＮＣ経営を支えるアニミズム−ゲーム、マンガ、アニメ、フィギュア業界を事例にして」

2004年7月9日(金)10日(土)
［７月９日（金）］
岩井　洋　「祈りと感謝の図像学：宗教経営学の視点から」
高木裕宣　「日本企業の厚生文化−導入から国際的波及まで」
［７月１０日（土）］
市川文彦　「食事に見えたる、フランスの会社文化−その歴史、その周辺を巡って−」
ローラ・マルティネス　Lola Martinez　「The village as company: organising Hachiman-matsuri in Kuzaki」

2004年11月19（金）・20日（土） （第６セミナー室）
［11月19日］
奥野明子「目標管理のコンティンジェンシー・アプローチ」
安達義弘「明治期における九州の焼酎動向−自家製焼酎の終焉」
出版打ち合わせ
［11月20日］
本谷るり「老舗企業の加齢と継続力」
ジェームズ・ロバーソン「通念としてのサラリーマン像の異化：
　　　　　　　　　　　（仕事）人類学から見た日本の階級、ジェンダー、表象」
司会：中牧弘允　コメンテーター：住原則也、廣山謙介

2005年１月29日（土）
中牧弘允「祭の経営人類学」
竹内恵行「祭の経済効果」
宇野　斉「東北三大祭と観光・広告業」
出口竜也「徳島「阿波踊り」のケース」
三井　泉「青森「ねぶた祭」のケース」

2005年３月４日（金）13：30〜（第６セミナー室）
神崎宣武「起業家と太子信仰」
Brian Moeran「Advertising:Creativity and Constraints」

「会社文化」共同研究のあゆみ

会社とサラリーマンの共同研究は1993年度よりはじまり、『経営人類学ことはじめ』（東方出版、1997）『社葬の経営人類学』（東方出版、1999）『企業博物館の経営人類学』（東方出版、2003）などを刊行してきた。「会社文化のグローバル化」についても研究期間終了後、ただちに編集作業にとりかかる。その研究成果は「経営人類学シリーズ」（東方出版）の1冊として単行本を刊行する予定である。

「会社とサラリーマンの文化人類学的研究」1993年度−1994年度

『経営人類学ことはじめ』東方出版（1997）

「会社文化と企業博物館の人類学的研究」1996年度−1997年度
　研究成果 『企業博物館の経営人類学』　東方出版　(2003)

「会社文化と会社儀礼の人類学的研究」 1998年度−1999年度
　研究成果 『社葬の経営人類学』　東方出版　(1999)

「会社文化のグローバル化に関する人類学的研究」 2001年度−2002年度
　研究成果 『会社じんるい学』　東方出版(2001)　『会社じんるい学ＰａｒｔII』　東方出版 (2003)

刊行物

『経営人類学ことはじめ』　東方出版、1997（日置弘一郎と共編）

『社葬の経営人類学』　東方出版、1999（編）

『企業博物館の経営人類学』東方出版、2003（日置弘一郎と共編）

『会社じんるい学』　東方出版　2001（共著）

『会社じんるい学ＰａｒｔII』　東方出版 2003（共著）
毎日新聞「今週の本棚」2003年8月17日
http://www.mainichi.co.jp/life/dokusho/2003/0817/05.html