令和6年度の募集は終了しました
公募プロジェクト
公募要領
1.公募の趣旨
日本の研究者が世界各地で調査するさいに撮影した写真や動画などの画像資料は、調査当時の実態を記録した研究資源であると同時に、日本の学術史を反映する学術遺産でもあります。この事業は、世界諸地域を対象とした研究プロジェクト(原則として、過去に公的機関または民間による助成を受けた実績のあるものにかぎる。すでに終了しているプロジェクトも含む。)の代表者・研究分担者を対象に、これまでに蓄積された画像資料のデジタル化・データベース化を支援し、将来にわたる研究情報の集積と共有化の基盤を整備して提供するものです。
この事業の実施にあたって、広く公募をおこないます。採択された公募プロジェクトに対しては、写真・映像資料の整理、デジタル化とデータベース化を進め、さらには画像内容に関わるテキスト情報の入力の支援もおこなうことで、研究に活用できるデジタルデータのプラットフォームを作成して提供します。また、公開可能な画像については、国際的な共有化をはかり、分野の別を超えたオープンサイエンスの基盤を構築していきます。
公募チラシダウンロード[PDF:4.1MB]
2.公募プロジェクトとの協働作業
公募プロジェクトが採択された場合、まず関係者を対象としたワークショップを実施し、資料の取り扱い、デジタル化、ドキュメンテーションに関する研修をおこないます。その際に「プラットフォームが資料の整理(必要に応じてクリーニングや修復)、デジタル化(デジタル複製)、データベース化(送信可能化)をおこなうこと」への同意を書面にて確認します。
その後、プラットフォーム技術支援者が写真資料(ガラス乾板、ネガ、ポジなど)の所在地に赴いて資料の保存状態を確認し、資料を中核機関である国立民族学博物館(以下、「民博」という)に輸送するか、輸送せずに現地でデジタル化するかを判断します。動画・音声のデジタル化も計画に含めていただいてかまいませんが、現行のデータベースは写真(静止画)閲覧の利便性を第一に設計されていることをご承知おきください。
そのうえで、民博もしくは現地において通し番号(ID)を付与するなどの整理をおこなったのち、写真資料のデジタル化を実施します。またこの作業と並行して、写真資料に付帯する基本情報のデータ化をおこないます。デジタルカメラ等で撮影された写真などの既にデジタル化されているデータについては、IDの付与(必要に応じてファイル名の変更)と基本情報の取得をおこないます。
デジタル画像データの作成および確認作業をとおして、資料点数を確定します。当該資料をリスト化して著作権の所在を確認し、写真資料の撮影者、著作権者、所有者ごとに、民博との間で、利用許諾に関する覚書を交わします。
権利処理の手続きと並行して、画像データをデータベースにセットアップする作業を進めます。データベースには画像の内容に関する基本情報の他に、画像認識AI(人工知能)によって自動的に付与されたタグ、またデジタル化作業に関する情報として、画像のフォーマット、入力機器情報、解像度、記載日などが記録されます。
以上の手続き・作業を経て、データベースが利用可能な状態になります。公募プロジェクトのメンバーはこのデータベースを用いて、逐次、入手できる情報を追加し、研究計画を遂行することになります。データベースに設定される項目は、①ID、②写真画像、③撮影者、著作権者、④撮影時期、⑤撮影地域(撮影当時の国名と現地名)、⑥民族名(同定可能な場合)、⑦記載日、⑧画像内容タグ、⑨関連情報(参考文献等)、⑩自由記述欄などとなります(原則、いずれも日英併記)。なお、写真資料はデジタル化した後、デジタル画像一式とともに公募プロジェクトに返却します。
一方、公募プロジェクト関係者が入力した内容は、著作権者との間であらためて共有し、個々の画像についての公開・非公開を決めて利用範囲を確認したうえで、一般公開されます。
3.応募資格
原則として、これまでに公的機関または民間による助成を受けた実績のある研究プロジェクトの研究代表者あるいは研究分担者とします。すでに終了した研究プロジェクトも対象となります。ただし、当該研究プロジェクトにとって、過去に蓄積された画像資料のデジタル化・共有化が大きな貢献をなすものであることが不可欠です。
ここでいう研究プロジェクトとは、以下のものを含みます。
- ① 日本学術振興会による科学研究費助成金の交付を受けたプロジェクト。
- ② 公的機関による助成を受けたプロジェクト。
- ③ 民間の企業・財団等の助成を受けたプロジェクト。
- ④ 助成を受けていないものも、当該コレクションの重要性に鑑みて、書面審査を経て採択する可能性があります。
ただしこれは特例なので、申請者がその研究キャリアを通じて追究してきたテーマと当該写真資料とが深く関わることを別添書類で示してください。
なお、以下の点にご留意ください。
- 研究分担者が申請する場合は、研究代表者の承諾を得ていることが必要です。
- 以前の募集で採択され作業が進行中の案件に関しては、作業が完了するまで、関連する申請を受けつけません。
- 研究プロジェクトの課題が異なっていたとしても、ひとりの研究者が複数の申請を同時におこなうことはできません。
- 同一の課題に関わる申請や同一の写真/動画コレクションに関わる申請は、異なる申請者によるものであっても、原則として受けつけません。
ただし、なんらかの調整を試みたうえで異なる目的のために別々の申請をおこなう必要がある場合は、理由が明記されていれば受けつけることがあります。
4.データベース化の対象となる資料
支援を受ける研究プロジェクトの研究代表者または研究分担者が自身で撮影した写真資料、または、撮影者や著作権者から所有・保管または活用の依頼を受けている写真資料(ガラス乾板、ネガ、ポジ、デジタル画像。プリントは除く)。撮影者が特定できるものに限ります。
5.研究支援期間
採択された年度の末までの単年度とします。
6.募集件数と募集カテゴリー
令和6年度の支援件数は5件以内。
カテゴリーA: | 写真資料(ガラス乾板、ネガ、ポジなど)のデジタル化とテキスト情報の入力支援を必要とするもの |
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カテゴリーB: | 写真資料(ガラス乾板、ネガ、ポジなど)のデジタル化を必要とするが、テキスト情報の入力は申請者自身がおこなうもの |
カテゴリーC: | フィルムやガラス乾板などの資料を含まず、すでにデジタル化されている画像のデータベース化だけを必要とするもの |
※ いずれのカテゴリーにおいても、対象となる写真資料の点数は原則として5,000点以下とします。A・Bそれぞれには、デジタルカメラ等で撮影された写真など、既にデジタル化されている画像データが含まれていても構わないものとし、異なる媒体・形式の画像は異なる画像とみなして数えます。
7.申請手続き
(1)応募書類 | 申請は、所定の様式による申請書を提出してください。申請書は、以下からダウンロードできます。 ★ 令和6年度「学術知デジタルライブラリの構築(X-DiPLAS)」公募プロジェクト 公募要領[PDF] ★ 令和6年度「学術知デジタルライブラリの構築(X-DiPLAS)」公募プロジェクト 申請書[Word] 申請書には、研究プロジェクト(複数ある場合、対象となる写真にもっとも関連が深い1件のみ)が助成を受けたときの研究計画調書の写しを添付してください。また、コレクションの内容が分かるような画像サンプルを少なくとも1点添付してください。それがむずかしい場合は、その理由を簡単に記載してください。 応募に関わる研究プロジェクトが過去に助成を受けていなかった場合や過去の研究計画調書がない場合は、上記に加え、申請者がその研究キャリアを通じて追究してきたテーマと当該写真資料との関係を記述した書面を提出してください。 |
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(2)申請期限 | 令和6年6月5日(水)までに申請書を提出してください。 (郵送の場合は必着、メールの場合は16時30分までに送信してください。) |
(3)提出および問合せ先 |
〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1 国立民族学博物館研究協力課共同利用係 Tel:06-6878-8347 E-mail:kikourenkei★minpaku.ac.jp ★を@にして送信してください。 ◆ 郵送による場合: 封筒の表に「学術知デジタルライブラリ 公募プロジェクト申請」と朱書きしてください。 ◆ メール添付による場合: 件名は「学術知デジタルライブラリ 公募プロジェクト申請」としてください。 申請書類は採否にかかわらず返却いたしません。また本公募によって得られた情報は本公募に関する審査以外には使用いたしません。 |
8.採否
審査は、「学術知デジタルライブラリの構築 国立民族学博物館拠点(X-DiPLAS)」全体を統括するプラットフォーム委員会にておこなわれ、採択課題を決定します。審査結果については、令和6年7月上旬までに通知します。
採否の決定は、提出された申請書の書類審査にもとづき、本事業の目的にいかに適合しているかの観点からおこなわれます。
評価に至った理由に関する個別のお問い合わせには応じかねます。
9.研究成果の報告
公募プロジェクトの代表は、当該年度の3月中旬までに報告書を提出する義務があります。
10.研究成果の発表(研究成果発表における謝辞の記載等について)
研究支援を受けた研究の成果を発表する場合には、研究支援を受けておこなった研究の成果であることを必ず表示してください。
11.留意事項
申請書提出時までに、写真資料の画像を、少なくとも当該研究プロジェクト内で共有するデータベースに登録することについて、著作権者・所有者からの同意(口頭を含む)を得てください。
一般公開をおこなう前のデータベースは、公募プロジェクト採択後に届けるプロジェクトメンバー(原則として当該研究プロジェクトの研究代表者及び研究分担者のみ)が利用できます。