お使いのブラウザは古いバージョンのインターネットエクスプローラーです。レイアウトを簡略版に切り替えて対応しています。

はじめに

 自然災害というと、自然界からの巨大なエネルギーによって建造物が破壊され、人命が失われたり傷つけられたりすることに目を奪われがちである。しかし、災害とはそうした自然界の力だけが原因ではなく、それに加えて、建造物や通信網などを作りあげる人間の技術、そして政治や経済を含めた社会・文化のあり方、これらすべての複雑な関係性の中で発生するものなのである。したがって、技術の高度化、人口や情報の集中化などにより災害の様相も複雑化している。また、災害からの復旧・復興も、インフラの復旧や住宅などの再建だけで達せられるものではない。災害によって被害を受けるのは、建造物だけではなく、心の問題、社会の問題、文化の問題も等閑なおざりにはできない。
 このサイトの目的は、特に開発途上国に焦点をあて、社会や文化の様態に注目し、人びとが災害とどのように向き合っているのかを具体的に明らかにすることにある。対象地域の人びとが災害リスクをどう認識し、いかなる対策を講じているか、被災という体験からいかに生活の再建を図り、どのように地域社会を再構築しているか、さらには、いかなる状況に対してどのような支援がなされているかなど、現地調査に基づいた現状と課題が報告されている。
 災害を[発災→緊急対応(救急救命、人道支援)→復旧・復興→被害抑止→被害軽減]の一連のプロセスあるいはサイクルと捉え、災害経験を生かして被害抑止策と軽減策を講じ、次の災害への対応力を強化していくことを、防災においてはひとつの理想型としている。しかし現実には、このサイクルを被災地以外にも波及効果を持つものとして循環させるには、多くの課題が存在している。その現実を正確かつ総体的に把握し、共通の認識に立って対応を検討するための出発点となればと期待する。

林勲男 (国立民族学博物館)

このサイトについて

 このウェブサイトは、災害と社会、文化をめぐる四つの研究プロジェクトの成果を抜粋、加筆訂正した上で公開したものである。
 各研究会の概要を以下にまとめる:

1.民博機関研究 「災害対応プロセスに関する人類学的研究」 (2004-2007)
 本研究の目的は、アジア・太平洋地域における自然災害への社会対応について研究することである。対象は、(a)災害後の復旧・復興プロセスと、(b)将来の災害リスクの軽減化を図るプロセスの二つである。両プロセスは、自然災害に対して人びとがいかに向き合っているかを把握する重要な局面であり、政治・経済構造、社会組織、住民の価値観などを含めた総体的な民族誌的アプローチによって解明されると考える。
 自然災害は、自然界より発せられる力、人間がつくり出した技術、そして社会や文化の複雑な関係性の中で発生するにもかかわらず、理工系研究者による物理現象の普遍的な法則の究明に主に関心が向けられ、個々の地域社会の持つ特性に配慮した、社会プロセスの研究がほとんどなされてこなかった。民族誌的アプローチにより、災害と人間生活の関係性を明らかにしてこそ、当該地域の防災・減災を考慮した地域の持続可能な発展を考えることが可能となりうる。

詳細

▼ 林能成(名古屋大学)「三河地震の記憶から防災へ」
 ▽ 発表要旨
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 寺田匡宏(国立歴史民俗博物館)「ミュージアムにおける「負の記憶」の表現と伝達について」
 ▽ 発表要旨
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 澁谷利雄(和光大学)「インド洋津波災害:スリランカにおける復興活動」
 ▽ 発表要旨
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 深尾淳一(映画専門大学院大学)
  「インド洋大津波被災地の復興と社会的文化的変容:インド被災地の事例から」
 ▽ 発表要旨
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 牧紀男(京都大学)「インド洋大津波の復旧・復興プロセス:海岸部からの移住をめぐって」
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 山本直彦(滋賀県立大学)「1年半後(2006年8月)の住宅供給状況」
 ▽ 発表要旨
 ▽ このサイト内の該当ページへ

2.民博共同研究 「災害に関する人類学的研究」 (2004-2007)
 本研究の目的は、第一に、自然科学者と人文・社会科学者による自然災害に関する共同研究を実施し、自然災害と社会・文化の関係のあり方を具体的事例に則して民族誌的に研究すること、第二に、主として自然科学者によって担われてきた防災学における社会文化研究領域の拡充を図り、学際研究としての防災学に対し、その方法や成果の再検討も含めて、人類学から寄与することである。言い換えれば、人文社会科学に視座を設定したうえで見いだされる、社会・文化に影響を与える自然災害と人間との関係を考察し、さらに自然災害に対する社会の対応力(防災力・減災力)向上に人類学的研究からの貢献を検討することにある。

詳細

▼ 池田恵子(静岡大学)「ジェンダー化された災害脆弱性:バングラデシュ農村女性の洪水・冠水の経験」
 ▽ 発表要旨
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 服部くみ恵(東京芸術大学)「台湾・集集地震被災地における復興活動:台湾版まちづくり「社区総体営造」との関係を中心に」
 ▽ 発表要旨
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 三尾稔(国立民族学博物館)「グジャラート大震災とNGO」
 ▽ 発表要旨
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 高田峰夫(広島修道大学)「災害に関する二つの思考:FAPをめぐる議論を中心に」
 ▽ 発表要旨
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 子島進(東洋大学)「2005年パキスタン大地震へのNGOの対応」
 ▽ 発表要旨
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 林能成(名古屋大学)「三河地震の記憶から防災へ」
 ▽ 発表要旨
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 寺田匡宏(国立歴史民俗博物館)「ミュージアムにおける「負の記憶」の表現と伝達について」
 ▽ 発表要旨
 ▽ このサイト内の該当ページへ

3.科学研究費補助金 「アジア・太平洋地域における自然災害への社会対応に関する民族誌的研究」 (2004-2007)
 本研究は、アジア・太平洋地域における自然災害への社会対応について、(a)災害後の復旧・復興プロセスと、(b)将来の災害リスクの軽減化(減災力)を図るプロセス、の二つの局面を民族誌的アプローチにより解明することである。
 (a)では、復旧・復興プロセスに発生する諸問題に対し、行政、NGO、被災地住民組織や個人が、いかなる社会関係性に規定されつつ、同時にそれらを利用して対処したか(しているか)について、社会構造的・文化的な要因を十分に考慮し、調査研究を実施する。調査対象として、パプアニューギニアのニューブリテン島火山噴火災害(1994年)と同国アイタペ津波災害(1998年)、トルコ・マルマラ地震災害(1999年)、インド・グジャラート地震災害(2001年)、インド洋地震津波災害(2004年)の五つの災害を取り上げる。さらに、バングラデシュでほぼ毎年発生する大規模な洪水災害を選定し、災害リスクとの共存を調査し、突発災害のケースと比較する。
 (b)としては、近い将来に大規模な地震発生が予想されている都市(フィリピン共和国・マニラ首都圏マリキナ市)において、行政主導による地震災害リスク管理がどのような社会構造的・文化的要因の規制を受け、住民生活のいかなる面に影響を与えるのか、さらには住民組織、NGO、キリスト教会組織などの活動といかに連携・連動するのかについて調査研究する。これは、同市の行政レベルにおける地震災害リスク管理を検討するワークショップの、その後の展開と可能性を探る目的を併せ持つ。

詳細

(a)災害後の復旧・復興プロセスにかんする調査研究
▼ 林勲男(国立民族学博物館)パプアニューギニア北部、アイタペ津波災害調査
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 村上薫(アジア経済研究所)トルコ北西部、マルマラ震災調査
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 三尾稔(国立民族学博物館)インド西部、インド西部地震災害調査
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 金谷美和(国立民族学博物館)インド西部、インド西部地震災害調査
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 山本直彦(奈良女子大学)インドネシア・スマトラ島、インド洋地震津波災害調査
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 牧紀男(京都大学)インドネシア・スマトラ島、インド洋地震津波災害調査
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 深尾淳一(映画専門大学院大学)インド南部、インド洋地震津波災害調査
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 澁谷利雄(和光大学)スリランカ東部、インド洋地震津波災害調査
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 柄谷友香(名城大学大学院)タイ南部、インド洋地震津波災害調査
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 高田峰夫(広島修道大学)バングラデシュ南部、洪水常襲地域の調査
 ▽ このサイト内の該当ページへ

(b)将来の災害リスクの軽減化を図るプロセスにかんする調査研究
▼ 玉置泰明(静岡県立大学)フィリピン・マリキナ市、防災プロジェクト調査
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 田中聡(富士常葉大学)フィリピン・マリキナ市、防災プロジェクト調査
 ▽ このサイト内の該当ページへ

4.科学研究費補助金 「大規模災害被災地における環境変化と脆弱性克服に関する研究」 (2008-2012)
 本研究の目的は、大規模自然災害による自然及び社会環境の変化を、被災地での現地調査に基づき、その地域社会は被災をいかに受け止め、その社会の持つ脆弱性をどう評価し、その克服に向けてどのような取り組みをしているのかの実態を明らかとすることを目的としている。調査研究対象地域は、 1998年7月のパプアニューギニアのアイタペ津波災害被災地であるサンダウン州、 2001年1月発生のインド西部地震被災地のグジャラート州カッチ県、 2004年12月発生のインド洋地震津波災害被災地であるインドネシアのアチェ州、南インドのタミルナードゥ州、スリランカのコロンボ市・マータラ県・ハンバントタ県、タイのプーケット県・パンガー県である。

詳細

▼ 林 勲男(国立民族学博物館)
 ▽
▼ 杉本良男(国立民族学博物館)
 ▽このサイト内の該当ページへ
▼ 高桑史子(首都大学東京)
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 田中 聡(富士常葉大学)
 ▽
▼ 山本直彦(奈良女子大学)
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 牧 紀男(京都大学)
 ▽ このサイト内の該当ページへ
▼ 齊藤千恵(鈴鹿国際大学)
 ▽このサイト内の該当ページへ
▼ 柄谷友香(名城大学)
 ▽
▼ 金谷美和(国立民族学博物館)
 ▽このサイト内の該当ページへ
▼ 鈴木佑記(上智大学)
 ▽このサイト内の該当ページへ