National Museum of Ethnology, Osaka, Japan
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Scan of first page of Brown's autobiography.
Scan of cover page of Brown's autobiography.

ジョージ・ブラウン自叙伝

George Brown, D.D. Pioneer-Missionary and Explorer

目次

幼少期 / 父―有能な人格者/ 父―篤い信仰心/ 学生の頃/ 危険な仕事 / 海へ 1 / 海へ 2 / 海へ 3 / 新大陸への航海 / 第一歩 / 五大湖 / 帰国 / 危機一髪 / ニュージーランドへの航海 / オークランド / 天職を求めて / 宣教師としての適性 / ふさわしい伴侶 / 泥まみれのハネムーン / 最悪の一夜 / 悲劇の宣教師 / シドニーからサモアへ


帰国< 危機一髪 >ニュージーランドへの航海

 私は真っ先に駆けつけ、ものすごく驚いた。恐ろしい ことに、船はブリストル海峡の ランディ島の西岸に衝突しかけていたのだ。幸い、大きな引き潮だったので、船は危険から逃れることができた。しかし、ここまでぎりぎりの状態に陥った船は 他にないだろう。島には立派な灯台があるにもかかわらず、船は大波の中、時速約6ノットの速さで人気のない崖をめがけて進んでいたのだ。数分遅ければ、船 は岩に激突し、即座に海の上でばらばらになっていただろう。恐らく乗組員の全員が溺れるか、船の残骸にぶつかって死んでいたに違いない。船には、一生を海 の上で過ごしている男たちも乗っていたが、この朝の出来事に衝撃を受け、縁起でもないので、ブリストル行きの船に乗る仕事は2度と引き受けないと言ってい た。

 私は上陸できるのが嬉しかった。給料を受け取るとすぐに、私は故郷を目指し、北に向かって出発した。ところが、私は英国でその まま暮らすことはできず、父をとても悲しませることになった。私には色々な職業につく選択肢が与えられた。父の事務所をはじめとした、父の影響力を直に感 じるような職場である。しかし、私はどこを選ぶのも嫌だと感じた。多くの人たちが、何故、私が再び海外に行きたいと望むのか不思議に思ったが、この時の私 には満足のいくような説明をすることはできなかった。しかし、今の私には、神の手に導かれたということがはっきりと分かる。私は知らなかったが、神は私に 使命を与え、私を見えない手で導いてくださっていた。私はニュージーランドへ行こうと決めた。ただ単に英国から一番遠い場所だったからだ。もし、中央アフ リカに行くことができたなら、すぐにそこへ行こうと考えていただろう。父も最後には同意してくれた。ただし、水夫としてではなく、乗客として行くようにと いう条件をつけて。


幼少期 / 父―有能な人格者/ 父―篤い信仰心/ 学生の頃/ 危険な仕事 / 海へ 1 / 海へ 2 / 海へ 3 / 新大陸への航海 / 第一歩 / 五大湖 / 帰国 / 危機一髪 / ニュージーランドへの航海 / オークランド / 天職を求めて / 宣教師としての適性 / ふさわしい伴侶 / 泥まみれのハネムーン / 最悪の一夜 / 悲劇の宣教師 / シドニーからサモアへ /
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