私が候補者として推薦された四季会のことを説明する には、この何年も後に、私が ニューブリテン島の布教活動から戻って来てから行われたシドニーの集会で、ハーディング牧師から聞かされた話を紹介するのが一番良いだろう。牧師は集会で 次のように語った。「総理、この機会（宣教師年会）に、少しお話しさせていただきたいことがあります。私が人生の中で、布教活動に貢献した事実についてご 紹介したいことがあるからです。何年か前に他の地区で行われた四季会において、たいへんな議論を戦わせたことをよく覚えています。その四季会で、今、角に 座っている私の若い友人が宣教師にふさわしいということを説得するのが私の努めでした」。彼は私を指し示しながら言葉を次いだ。「彼はふさわしくないとい う声が上がり、私はふさわしいと述べました。そこで、さらに話し合いが行われました。その集会で推薦を認めたのはごく一部の人たちだけでした。総理、私が 推薦した人物に対する強硬な反対意見がどのようなものであったか想像できますか。彼の性格や説教者としての能力については反対の声は上がりませんでした。 しかし、なんと、その時、しつこく繰り返された反対意見はこのようなものでした。『ハーディング牧師。彼は善良な青年です。しかし、とても温和で優しく、 若い女性のような人物で、伝道を行うために必要な精神を持ち合わせていないと思います。自己主張にも全く欠けています。ゆえに、彼は布教活動には向いてい ないと思われます』」。ハーディング牧師のこの話に、古いヨーク・ストリート教会で笑い声が起こったのは言うまでもない。しかし、私個人としては、オーク ランドの四季会の参加者たちは、私の性格を鋭く判断していたと常に思っている。
1860年の会議で私は承認を受け、当初は、希望通 りフィージーへと赴任することになっていた。しかし、会議の途中で行く先をサモアに変更されてしまった。英国から到着したばかりの宣教師がいたため、この 宣教師を第1便の船で派遣した方が良いと判断され、私は年末の第2便まで待つこととなったのである。