私たちはシドニーで温かい歓迎を受けた。多くの優しい友人た ちが、私たちを神に託すために祈りを 捧げているのを聞き、たいへん勇気付けられた。9月19 日水曜日、ヨーク・ストリート教会で私は、J・エグルストン牧師(総理)、S・ラボン牧師、S・アイアンサイド牧師、T・アダムス牧師によって聖職位を授 けられた。翌週の9月26日水曜日、赴任地へ向かうためジョン・ウェズリー号で出発し、10月18日にトンガに到着した。この地の宣教師が、私たちを、サ モアではなくフレンドリー諸島に派遣することを決めたので、同意して欲しいと言ってきたが、私は協議会の任命を無視することはできないので、もし変更が必 要だと考えるのであれば、教区長が責任を取るべきだと伝えた。結局、私は元々の任命通りに赴任することとなり、10月30日にサモアに到着した。
恐らく、蒸気船の発達した現在から当時の状況を振り返ると、あまりの違いぶりに驚 きを感じるだろう。ジョン・ ウェズリー号は、サモア諸島から5から6マイル離れた場所までしか近づくことができず、船が見えてから何時間もかけてやってくる小舟に乗り継がなくてはな らなかった。私たちの場合、ダイソン氏はほとんど日が暮れてしまうまで船に到着しなかった。私たちは所持品と荷物一式とともに、はるか沖合で小舟に積み込 まれた。一晩中、船員は荷物を一杯に積み込んだ舟を漕いで、順調とはいかない、危険の多い場所を進まなくてはならず、陸に辿り着いたときには朝の3時頃に なっていた。私たちが舟から降りるとすぐに、ジョン・ウェズリー号はトンガへ引き返して行った。